ストレスの表現
皆さんはストレスを感じることはあると思うよね。課題や生活費、感情の問題など、人間として生きている限り、さまざまなストレスが存在する。
今年の4月まで、私は約1年間東京に住んでいた。おそらく多くの人々が東京について「ああ、都会だ!」、「東京は素晴らしい!」というイメージを持っているかもしれない。最初は私も同じように思っていましたが、徐々に私はその都市で疲れてしまった。
以前、私は東京の文京区に住んでいた。毎日早朝に起きて、東京メトロに乗り、池袋駅で満員の山手線に乗り換えて、新宿の日本語学校に通学していた。東京ではほぼ毎週のように人身事故が発生していた。電車の中で閉じ込められることはよくあった。ある日、私は渋谷で買い物をした後、駅で電車を待っていると、ある人がホームから飛び込んだ。私は本当に驚いた。
あの日の経験は今でも忘れない。すぐにその人身事故についてのニュースが報道された。しかし、その人がなぜ「自殺」を選んだのか、どのような原因やストレスがあったのか、だれにも分からなかった。この出来事を通じて、私はもう一つのことを考えさせられた。
私が高校生のとき、ある生徒が授業中に突然屋上から飛び降りた。最終的には亡くなった。その生徒がなぜ「自殺」を選んだのか、どのようなストレスに悩まされていたのか、誰にも分からなかった。おそらく私も似たような経験をしており、それがこの作品「ストレスの表現」を制作するきっかけになった。
この作品の人形の全体と背後のクリスマスツリーの部分はキャンバスを使用して作成した。人形の中には脱脂綿を詰め、外側はキャンバスで覆いた。
この人形は多くのストレスに苦しんだ末に、クリスマスイブに自らの命を絶つ方法を選んだ。
縛られたロープはまるでストレスそのもののように締め付けられている。人形の表情は非常に苦痛を示している。また、人形の右手には花を持っている。その花は本物の花が、時間が経つにつれてしぼんでしまう。人形はピンク色の雲の上に座っており、この雲は彼の自殺を止める手助けをしてくれるのか、それとも彼が天国に旅立った後、天国で出迎えてくれるのか、私たちはわからない。
私たちはしばしば事件の結果だけを知っているが、その背後にあるストーリーやストレスの具体的な要因は知らないことが多い。自殺を選んだ人々がどのようなストレスに直面していたのか、私たちは理解し切れないことがある。
私は誰もが自分自身の命を終わらせる権利を持っていると考えているが、自殺を選んだすべての人々に敬意を表したいと思っている。この作品のように、亡くなった人々が天国で美しい雲に囲まれて幸せに暮らしていてほしいと願っている。
2023/05/30